環境部の近藤です。主に機械設備を担当しています。
現在、東京電力と東北電力管内の大口契約者に発動していた電力使用制限令について、予定を前倒しして解除するようです。気温も下がり、家庭を含めた節電活動も浸透し、東北電力の水力発電運転再開のめどが立ったことによる措置だそうです。(2011/9/9現在)
制限という形ではなくなりましたが、省エネルギーや節電は、今後も継続していくことが大切かと思います。今回の件では、今まで過剰な電力利用をしていたと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、一方、多少の無理や我慢を強いられた企業や個人の方もいらっしゃるのではないでしょうか。一過性のものとはせず、継続するためには、無理をしないことや、そのための仕組やライフスタイルが確立できると良いですね。
突然ですが「フィードインタリフ」(Feed-in Tariff)という言葉をご存知ですか?
環境ビジネス用語辞典によると、次のように載っています。
フィードインタリフ(Feed-in Tariff)とは、固定価格買取制度とも呼ばれる助成制度。
エネルギーの買取価格(タリフ)を法律により定めるというもの。
代表的なものとして、太陽光発電や風力発電などによるグリーン電力を電力会社が買い取る売電価格について法律により固定し、設備を設置する者を優遇することにより、その普及を助成する制度。
ちなみに、タリフとは「買取価格」を意味する。
再生可能エネルギー起源の電力の買取価格を法律で定め、その結果として、再生可能エネルギーへの設備投資を普及・促進する、という仕組みのことです。
フィードインタリフはヨーロッパ他、多数の国で実施されており、少なからず効果があるようです。ただし、この制度はビジネスと直結するため、適切な制度設計がなされないと、失敗してしまう例もあるようです。
ご存知の方も多いと思いますが、わが国でも、再生可能エネルギー特別措置法案が成立しました。フィードインタリフ=再生可能エネルギーの固定価格買取制度の実現を目的とした法案です。太陽光発電については、既に実施されていたのですが、風力・地熱・バイオマス等、他の自然エネルギー起源の電力についても適用されることになります。
個別事象への適用や詳細な内容は、今後決まっていくこととは思いますが、こういった仕組みが出来上がることで、積極的な自然エネルギー利用や節電の継続に繋がっていくことかと思います。今後、具体的な制度の内容がどのように決まっていくか、ぜひ、この制度に注目してみてはいかがでしょうか?
環境部 近藤 基