環境部の小縣です。
主にCFDなどのシミュレーションを担当しています。
今回は、CFD計算結果を相手に伝える際に役立つ「3DPDF」というツールを紹介します。
CFDとは、コンピュータを用いた流体解析のことであり、弊社では室内気流分布や都市の風環境を予測・評価するために用いています。CFDの計算結果を確認する方法としては、専用の可視化ソフトを用いて、温度分布図や風速分布図を描画させるのが一般的ですが、その結果を第三者へ伝える必要がある場合には、jpegなどの画像に出力し報告書などに貼り付けます。しかしこの方法の場合、3次元でCFD計算を行っていたとしても、最終的に相手に伝わる時点では、画像という2次元の情報になってしまいます。
そこで、この問題を解決してくれるのが「3DPDF」です。PDFといえば、アドビシステムズによって開発された電子文章に関するフォーマットのことですが、実は、このPDFに3次元版があるのです。以下の場所にサンプルをアップしてありますので、ダウンロードして最新のAdobe Readerで開いてみて下さい。
≪3DPDFを用いたCFD計算結果可視化例:人体周りの温熱環境解析≫
風速分布:http://www.ptmtokyo.co.jp/blog/humanEnvironment_U2.pdf
温度分布:http://www.ptmtokyo.co.jp/blog/humanEnvironment_T.pdf
これらのファイルが問題なく開くと、人体モデルとその周りの気流および温度分布に関する画像が表示されます。3DPDFでは、従来の電子文章とは異なり、表示されている画像をCAD感覚で回転させたり、拡大・縮小させたりすることができます。
この「3DPDF」は、多くの方が普段から使っているAdobe Readerで表示することができます。つまりこの3DPDF形式を用いれば、専用の可視化ソフトがなくても、CFD計算結果を3次元情報として第三者に伝えることができるのです。例えば、CFD計算の依頼者へ計算結果を説明する際に大いに役立ちます。
環境部 小縣 信也
http://www.ptmtokyo.co.jp/