環境部の中村です。
井村に続き、今夏の当社における節電の取組についてデータを基に評価を行います。
実施内容
1 リアルタイムモニタリング
2 エアコンのチューニング
3 電灯・OA
1 リアルタイムモニタリング
モニタリングパネルを共有部に置いて、節電アイデアの実践・評価をスムーズに行えるようにしました。
モニタリングパネル |
1.1 ピーク電力
今夏、ピーク電力の把握が如何に重要かは周知のとおりです。とはいえ、電力は目に見えないので、ピークがいつやってくるかなどを一般の方が感じ取るのは難しいことです。
当社エンジニアも経験を生かして想像は出来ますが、具体的に今なのか、2時間後なのかは判断が難しいところです。今回、電力量をリアルモニタリングすることで、ピーク電力が上がってしまう前に照明を消すなどの対応がとれるようになりました。
今夏の当社ピーク電力は8月12日の11時30分 38. 3 kW(前年*比-35%)でした。これらは今夏取組んだ節電行動の結果がすべて反映されているので、モニタリングの効果というわけではありませんが、実施した節電行動が数値となって表れるため節電意識の向上につながりました。
(前年ピーク値は、電力検針値と外気温変動を考慮した想定値)
2011年 ピーク電力 |
1.2 モニタリングを活用した節電行動
次に、外気温湿度モニタリング活用した窓開け行動は功を奏したと言えます。
(ほんの2日程度でしたが・・・)
(ほんの2日程度でしたが・・・)
2011年7月21日に大型台風が関東一円に猛威をふるいました。この前後(21日,22日)で外気温度が急激に下がったことをモニタリングで確認したため、空調をなるべく停止し窓を開け外気冷房を試みました。
室内温度は通常冷房の20日よりも高くなる傾向となりましたが、1日の空調にかかる電力を25%抑えることが出来ました。夏期の外気冷房タイミングはピンポイントの発生となりますが、今回のモニタリングで捉えることが出来ました。また、外気温度が高くない4月,5月に実施できれば大幅な節電に役立ちます。
2 エアコンのチューニング
当社 井村(過去ブログを参照頂ければ幸甚)を主導としてエアコンのリモコン設定の全面的な見直しを図りました。主に以下2点を改善しました。
2.1 ウィークリータイマーの設定
タイマーによって19:00に空調停止がかかるように設定しました(復帰可)。
2.2 設定温度の見直し及び設定温度センサの切替
設定温度27℃程度であったため、28℃となるよう見直しました。
微小な効果を検証しますと、私の場合長くなりますので割愛し、前年の検針器データと本年の電力モニタリングデータを月別で比較します。
空調消費電力の比較 |
2010年と比べて、空調で34%程度の節電が達成出来ました。これは当社エンジニアも驚きを隠せない数値かつ、過去の行動に対して猛省を促される結果となりました。
モニタリングによる外気冷房を2%程度、2.1 空調停止による電力削減を10%程度*とすれば、2.2 設定温度の見直し22%程度となります。空調のリモコン設定は管理が疎かになりがちですので、皆様も是非検討してみは如何でしょうか。
*中村の過去ブログを参照下さい。
3 電灯・OA電力
3.1 電灯
照明電力に対する節電手法は照明灯具の間引きを行いました。間引きでの留意事項は、灯具によって間引き方法を適切に検討しないと節電にならないどころか、電力を余計に要する事態があることです。
当社では、検討を行った結果、1つの灯具の電灯すべてを外さないと節電にならないと判断し間引きを実施しました。1つの灯具がまったく点かない状況になるので、照度計や明るさ感を十分にヒアリングし社員の納得する配置としました。
灯具と明るさ感について詳しくは前山が次号ブログに寄稿予定となります。
電灯は総数100本近く(約半分)の蛍光灯を灯具から外しました。大雑把な計算で考えると、
40 [W] × 100 [本] = 4,000 [W] → 4.0[kW]
4kW程度の節電が考えられます。
間引き前の電灯電力は概ね9.0kWでしたので、間引き前の45%程度が節電されています。
3.2 OA電力
普段、デフォルトのままで使っているPCディスプレイも輝度を下げることで10W程度の節電が可能です。これらは熱に変換されるため、空調電力にも結びつきます。
ただし、健康を害する程の輝度設定はおすすめ致しません。
PCディスプレイ輝度と消費電力の関係 |
OA電力は40人が奮起して、
10 [W] × 40 [人] = 400 [W] → 0.4[kW]
0.4kW程度の節電が考えられます。
さらに、こまめに照明スイッチを切るなどの努力を行いました。
電灯・OA消費電力の比較 |
2010年と比べて、専有部電力で32%程度の節電が達成出来ました。
これらの内訳は、3.1 電灯25% , 3.2 OA電力7%程度と考えられます。
これらの内訳は、3.1 電灯25% , 3.2 OA電力7%程度と考えられます。
まとめ
今夏の当社節電に関して、まとめると前年比(2ヶ月間)で34%の節電を達成出来ました。
全体消費電力の比較 |
前述してきた節電アイテムの内訳を表すと下図のようになり、照明の間引きとエアコンのチューニングの効果が大きいことがわかります。
電力削減アイテムの効果比率 |
本稿で、今夏の節電についてのご報告は最後となります。
今回の取組で前年比のピーク削減は35%,8月-9月の電力量34%節電に至り、満足すると同時に前年までの電力使用に関して猛省が必要と考えております。
今回、実行へ至らなかったアイデア(躯体蓄熱運転・・)などは随時、手法の検討を行い冬期も節電に取組む予定でございます。この節電実験フィールドでアイデアを試したい方は是非、ご連絡下さい。
森村設計はエコロジーとテクノロジーの融合に取り組んでいます。
計測に関して安全に作業が出来るようご協力頂いた方々に深く御礼を申し上げます。
環境部 中村 北斗
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