2011年12月22日木曜日

英語のブログも書いている理由

私の名前はフォレスト・サイモン、森村設計では翻訳の仕事をしています。そして、このブログサイトの翻訳も私が行っています。
今回は、弊社の海外グループの紹介、そしてブログを英訳している理由について書いてみようと思います。

森村設計は、東京に拠点を置く建築設備の設計事務所です。
多くの国内プロジェクトの建築コンサルティングサービスを行っている部署の他に、海外グループという部署があります。

この海外グループでは、日本に事務所を設立したり、移転したりする外資系の銀行や証券会社、その他様々な外資系企業向けに、建築設備のコンサルティングサービスを行っています。

弊社は、クライアントの運用を絶対に停止させてはならない、ミッションクリティカルプロジェクトを得意としており、このプロジェクトは、停電させることなく電力システムを改修することが重要です。

最近は、多くの外資系クライアントが節電・省エネの重要性を認識していているため、弊社はエネルギー消費量の削減対策を提案しています。
多くの外資系クライアントの社員は外国人であるため、私たちは日本語のブログだけでなく、英語のブログも必要だと考えました。

最近のブログの焦点は、節電・省エネです。
今年311日の東北地方太平洋沖地震後、電力不足予測が発せられたことで、いくつかのクライアントから節電に対するアドバイスを要望されたこともあり、私たちは、コンサルティングエンジニアとして、電力エネルギーを削減することに今まで以上に努めなければならないと強く感じました。
そして、この時期に私たちはエンジニアのブログをスタートさせたので、ブログの焦点が節電・省エネになったのは自然な流れでした。

ブログメンバーのモチベーションを高めることや、積極的にブログへ参加させることは大変なことです。ブログメンバーはプロジェクトに追われていて忙しかったりで、ブログを書けない(ブログが更新されない)こともしばしばあります。
しかしながら、私たちはブログという情報発信方法に慣れ始めてきていて、今後もエンジニアブログをアップし続けていくことは確かです。

フォレスト サイモン
http://www.ptmtokyo.co.jp/  

2011年11月28日月曜日

ねぶたの家 ワ・ラッセ

海外グループの片柳です。

今回は、私たちが建築設備設計を担当した、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」を紹介させていただきます。
本施設は2011年1月にオープンし、先日1年目検査のため久しぶりに現場入りしました。その時、改めて「いい施設だなあ」と思い、ぜひこの「エンジニアの声」でご紹介したいと思いました。



「ねぶたの家 ワ・ラッセ」は、JR青森駅の海側に建設された「ねぶた展示施設」です。
建築は、Molo Designd/dt ArchFrank la Riviere Arichitectsによってデザインされています。
Molo Designはカナダバンクーバを拠点にしている海外のデザイン事務所で、彼らのプロダクトはニューヨーク近代美術館を含め、世界中の美術館やギャラリーで評価され使用されています。

防錆性能の高いリボン状の鋼板スクリーンで覆われた外観
撮影 Shigeo Ogawa
 



















この施設の中心である「ねぶたホール」は、毎年のねぶた祭り本番に出陣し、上位に入選されたねぶた5台が展示されています。「ねぶたホール」では、祭りの音頭が力強く流れていて、「活気のある祭りの中」にいるような気分を味わうことができます。

ねぶたホールに展示された「ねぶた」
撮影 Shigeo Ogawa




















ここで、ねぶたの電源に関して話しをさせて下さい。
ご存じの通り、ねぶたは多くの照明により構成されています。
祭り本番中のねぶたは、中にディーゼル発電機が搭載されており、自家発電により照明を点灯しています。


それに対して、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」で展示されているねぶたは、ねぶた自体に発電機を搭載しているわけではありません。こちらは、私たちが構築した電源システムにより電源供給され、照明を点灯しています。

設計、及び施工中に懸念したのは、「ひとつの空間に、5台のねぶたを展示して、明るすぎてしまわないか?」ということです。これらに関しては、祭り時のねぶた周辺の明るさを実測し考察しました。その結果、ねぶたは見た目は明るいですが、照度としては、ねぶた周辺で100lx程度であり、過剰な照度ではないという結論でした。
しかし、省エネルギーの観点から、ねぶたの明るさを可変できるとよいのではないかと考え、大型調光器の導入を計画しました。

そして、現在の「ねぶたホール」は、明るすぎず、しかしインパクトのある空間となっています。写真の白いボックスが大型調光器で、電源電圧を抑制することで、ねぶたの消費エネルギーを低減しています。

ねぶたへの電源電圧を抑制する大型調光器





















「ねぶたの家 ワ・ラッセ」はオープンして1年が経ちますが、絶え間ない来館者に恵まれているようです。
もし、お近くに行くことがありましたら是非立ち寄って見て下さい。


青森県民の魂と誇りである「ねぶた」と共に、この「ねぶたの家 ワ・ラッセ」がいつまでも栄え続けることを願っています。

海外部 片柳 哲
http://www.ptmtokyo.co.jp/

2011年11月14日月曜日

私たちの節電 今夏のまとめ1

環境部の井村です。
すっかり涼しくなり秋の雰囲気が漂ってきたと思ったら、実は冬は今夏よりも厳しい節電が必要になるとの報道がありました。近藤さんのブログ(9/12)にもありましたが、節電を持続することが重要ですね。
さて、「節電」シリーズは今回と次回の2回で一応の今夏のまとめをしたいと思います。

節電意識
社内の節電を進めるにあたり、一番苦労した(している)のが社員の節電意識を高めることです。刻々と変わる執務環境を敏感に感じ取り、自立分散的な節電行動につなげていくことが理想ですが、ある程度の仕組みは必要と考え、私たちは節電パトロール隊を組織しました。グループ毎に選出したパトロール隊同士がコミュニケーションを取りながら、節電行動を決めて実行していくことを目指しています。
具体的な行動としては、部分的な消灯、部分的な空調停止、全体的な外気冷房を行うための空調停止・窓開け等です。今夏の成果としては、空調停止・窓開けが数日実行できた程度でしたが、今後に期待です!
このように腕章を作りました。




















意識を高める行動
節電を通して強く感じたことがあります。それは、私たちは照明のある空調された空間にいることに慣れすぎていて、それを変更するという意識をあまり持ちあわせていないということ。そして、私たちが身を委ねている環境が、なんとも無機質な空間であるということです。このことに気づかせてもらったのが、お付き合いのある建築設計事務所の方々と節電について意見交換をさせて頂いた時でした。彼らの発想は私たちのそれとは異なり、ローテクとも言えるような有機的?な仕組み(グリーン+ファン、湿らせたダンボールによる気化冷却等)で、いかに気持ちの良い空間を作り出すかということでした。これをアイデアのヒントとし、試験的にグリーンプロジェクトなるものを実行しました。
狙いは良かったと思うのですが、ヘデラの水耕栽培が思っていた以上に難しく、何度か枯らしてしまいました。来年は改良を加え実行したいと思います。「何故布ダクト?」と思った方は、ブログアーカイブを是非ご覧ください!

節電結果(月積算電力量ベース)
もちろん今夏の節電で重要だったのはピーク電力(デマンド)の削減ですが、当社はテナント入居なので昨年の実績で把握できているのが電気料金請求用の月積算電力量なので、わかりやすい成果としてはこれの比較となります。おおむね30%を超える削減を達成できました!

ピーク電力(デマンド)今夏分については、設置したリアルタイム電力モニターでデータがありますので、こちらについてはメカニカルな内容を取り仕切ってくれた中村さんから次回にまとめてもらいたいと思います。

環境部 井村 修二

2011年11月2日水曜日

節電コンサル

海外グループの片柳です。
今回は、私たちがこの夏に外資系企業向けに実施した節電コンサル業務の内容と結果をご紹介します。

1 節電目標
今年の夏は、原子力発電の停止に伴い、電力不足をカバーするため、「節電」が必要とされました。この「節電」に関して、「15%削減」をよく耳にしたかと思います。

この「15%」削減という数字は、経済産業省から発令されたもので、昨年の電力使用量と今年停止した原子力発電所の発電量を分析し、この値以上の電力削減ができれば、電力供給をストップすることなく夏を乗り越えられると想定された値でした。

ここで注意しなければならないのは、この夏の節電で重要だったのは、「ピーク電力の削減」であり、「合計使用電力の削減」ではないということです。「ピーク電力は昨年同様」だが「夏の合計使用電力は昨年の30%削減」では意味がなく、前者は「節電」、後者は「省エネ」に定義されます。

また、特定の条件に該当する企業に対しては、節電期間の7月から9月の間で15%削減が達成できない場合、ペナルティが課せられることが発表されました。

2 節電コンサル
私たちは建築設備を構築するコンサルタントですが、この夏はピーク電力の15%削減を実現するコンサルティング業務を依頼されました。普段は「省エネ提案」や「省エネシステムの検討」など長期的なエネルギー削減が課題ですが、今回は「絶対的かつ緊急のピーク電力の削減」が課題となりました。

プロジェクトを進めるに当たり、まず始めに私たちが実行したことは、「昨年のピーク電力値の把握」です。これに関しては、昨年の1時間当たりの使用電力量をビルマネージメントシステムから抽出・分析し、ピーク電力値を算出しました。ここで、昨年のピーク電力値に75%(15%削減)を乗じた値が、今年のピーク電力値となります。

次に現地調査を行い、現況システムの把握、電力使用状況の把握、及び削減可能な項目のピックアップを行いました。調査当日にパッとオフィス内を見渡してみると、削減できそうな機器が見当たらなく、一瞬不安になりました。通常のやり方では15%削減は難しいのでないか?と。

しかし、私たちは建築設備のスペシャリストです。できる限り通常の業務形態に近い状態で「ピーク電力の15%削減」ができるように検討、及び分析を行いました。小さな節電内容でも、一つ一つ積み上げることで、20%削減を超える節電計画内容を提案することができました。

そして、節電期間の7月に入る前に現場検証を行い、実際に20%削減が可能かどうか確認しました。トータルでどんなに多くの省エネができたとしても、たった1日でもピーク電力の削減が達成できない場合、私たちは「スペシャリスト」ではなくなってしまいます。

節電期間がスタートした7月からは、毎週1回ごとにピーク電力の確認を行いました。ピーク電力の確認方法は、昨年のピーク電力の算出同様に、ビルマネージメントシステムから計測値を抽出し、昨年のピーク電力と比較します。ちなみに、昨年のピーク電力は8月中旬頃に計測されていました。7月から9月の間、私たちはこのような分析を続けました。

3 節電結果
今年は8月末くらいから比較的過ごし易い気候だったため、節電し易い環境となりました。節電期間7月から9月の結果は下記のようになり、大きく目標値を達成することができました。


設備項目ごとの削減率は下記のようになります。


3.1 照明による節電
照明に関する節電は、明るさダウン、及び白熱灯の不使用を実施しています。明るさダウンに関しては、単に照明ランプを取るのではなく、適材適所の照度を分析、及び提案した上で、明るさを変更し、節電を実現しました。

3.2 空調による節電
空調に関しては、設定温度を高く設定することで節電しています。設定温度を高くすると、人によっては不快に感じる可能性があるため、PCに接続して使用できるUSBファン(扇風機)の採用を提案しました。

USBファン(扇風機)の消費電力は2.5W/台程度です。仮に100台設置したとしても、消費電力は250W程度であるため、USBファンは節電しながら快適性を保つことができる便利なアイテムです。




3.3 コンセントによる節電
コーヒーマシンやウォーターサーバの停止、コピーやプリンターの台数制限を実施しました。これらはクライアントへの需要率のヒアリングが重要になります。

4 節電を経て
「節電」で重要なのは、「少しの努力を惜しまないこと」、そして、「モニタリングすること(見える化)」だと考えています。
この夏は「節電」が何よりも重要でした。これは、「ピーク電力時の電力需給」が「迫られた問題」だったからです。しかし、地球規模で考えればトータルエネルギーを削減する「省エネ」が重要なテーマです。私たちエンジニアは、この「省エネ」を単なる「ポーズ」や「台詞」ではなく、「本当に迫られた問題」と捉えていく必要があります。

海外部 片柳 哲
http://www.ptmtokyo.co.jp/

2011年10月18日火曜日

快適性と節電行動

環境部の入社3年目 中村北斗です。
機械・衛生設備の設計を担当しています。
今回は、「快適性と節電行動」と題して、空調設計という観点から見た快適性の捉え方と、弊社での取組みを紹介させていただきます。
「快」とは
はじめに、建築設備設計に携わる者にとって興味深い著書 三木成夫著の”胎児の世界”を紹介させて頂きます。氏は胎児の成長に「生命記憶」を見出し、「記憶」とは「憶を記す」こととしています。その「憶」とは”寒くも暑くもない、(中略)そういった過不足ない状態を象るものといわれる。“として、「憶」は生命誕生から進化を続けた生命維持のメカニズムのことであると指摘しています。そして、人は”冷暖房完備という近代的な装備をほどこすに至るまで、(中略)「憶」のメカニズムを(中略)まねしつづけてきたのではないか。“と言い、空調設備が現代の建築において生命維持を行うための「憶」の代替であることを示唆しています。
そして、“わたくしどもがふだん「快」とよんでいるのは、たとえば、「炎天下の木陰」、「腹ぺこにご馳走」の様に、「憶」からはずれた「言不中」の状態から、「憶」すなわち「言中」の状態にもどる途中のプロセスをいっているのであろう。(中略)どうやら一日の大半を『説文解字』のいう「快」「不快」のない「真の快」で過ごしているようだ。”と言います。
本書では、胎児が成長していく過程で原始的な器官が複雑な人体器官にまで成長する様子を描いているので、ご興味のある方は読んでみると面白いと思います。
空調設備
さて、かの書から節電や省エネルギーを考える上で、「憶」、“「憶」の代替”、「真の快」という重要なヒントがもたらされました。このヒントを基に空調設備について考えていこうと思います。
① 現代の建築で「憶」(=人間の体温調節の仕組み)のみで暮らすにはどうするべきか?
空調設備が不要になるので一番の節電行動になります。はじめに思いつくのはクールビズなどの着衣量の調整です。ただ、言葉遊びになりますが「憶」は人間の動物的側面しか持ち得ないので、原始時代回帰的な発想になるのがたまにキズです。「憶」の進化を待つ(人間の変温動物化?)には時間がかかりすぎます。建築で、「憶」のみの生活を追求することは野心的な試みですが、今のところ、私には持ちあわせがありません。ヒントは「快」「不快」の連続性にあると思うのですが・・・
② 「真の快」を見極める。
かの書で“「憶」の代替”たる空調設備は「真の快」を作ることを指すようです。つまり、「快」「不快」を思い出させないような仕組みです。環境工学などで用いられる予測不快者率を0%に近づけることと同じことだと思います。
「真の快」を得るために最低限のエネルギーで済ます方法、これが空気調和設備における省エネルギーということです。ということは、目標である「真の快」を明確にしなければなりません。「真の快」は一般に6要素(温度、湿度、風速、放射、着衣、行動)を加味して決定されます。例えば、全空気式の空調設備は放射をコントロール出来ませんし、放射式の空調設備は気流をコントロール出来ません、これらの特性を見極め、ときには組み合わせて空調設備は構成されます。その際に、「真の快」にアプローチする空調方式の違いにエネルギーの使い方の差が出るため、様々な空調方式とそのエネルギー性能が問われています。
節電行動
さて、これまでは空調設備からの「真の快」へのアプローチでしたが、次は空調運用からの「真の快」へのアプローチです。「快」「不快」を思い出させないような仕組みは、エネルギー性能の高い空調設備で快適範囲を維持すれば良いということだけではありません。「真の快」を見極め、その条件を満たすような空調運用であればエネルギーを使う必要はないのです。
弊社の節電行動
ここで弊社の取組みを紹介します。弊社の空調設備は全空気式で各グループでの個別制御が可能なシステムです。
① 空調が不要な場所・時間にはエネルギーを使わない。
② 冷房時、建物の熱収支において有利な夜間時間帯は自然放熱に任せる。
そのような狙いで、弊社で行った空調タイマー設定による節電行動の結果を示します。図1は7月の空調吹出温度を日毎に色分けで示したグラフです。

図1 7月 空調吹出温度の時刻推移
空調を19:00に一度停止し、「不快」と感じれば空調復帰を各人が行えるという取り組みをしました。30%程度の割合で19:00以降は空調が不要若しくは自然放熱でまかなえるようです。空調復帰した日も吹出温度がリセットされ適正な吹出温度になる副次的な効果も見られます。また、数日ですが10:00頃から吹出温度があがっているデータもあります。これは窓を開けられる時は積極的に開けようという節電行動で曇り日などに窓開放をしたデータです。
次に空調停止成功率を割り出します。空調停止成功の定義は空調停止後の温度データより低い温度データが19:00以降に存在しないこととします。これらを月別に空調停止時間の成功率で示すと表1のようになります。

表1 空調停止成功率と期待非空調時間(空調を使用しない時間)
空調停止時間が1時間の成功率は各月とも50%以上となり、全体では60%となっています。2時間の成功率は42%と1時間成功率よりも10%以上成功率が落ちてしまいます。更に3時間成功率も同様の落ち幅で落ちています。4時間と5時間の間には大きな差がないことから消し忘れの可能性が高いと考えられます。
7-9月の成功率を期待非空調時間として置き直すと、空調タイマー設定を導入するだけで、1日の空調時間が1.7時間停止削減できることになります。空調時間は各事業所によってマチマチですが、仮に空調時間が17時間(7:00-24:00)であっても、空調エネルギーを約1割削減できることになります。
空調タイマーは説明書さえ手元にあれば10分もかからずに設定が可能です。あまり、早い時間から空調を停止すると、クレームのもとになるので気をつけて下さい(「真の快」を見極めて下さい)。

まとめ
今回は、快適性と節電行動というテーマで書き連ねて参りました。三木成夫氏著の”胎児の世界”より「憶」、“「憶」の代替”、「真の快」という重要なヒントを得ました。空調設備について考えるとき、これは役立つ考え方だと思い紹介しました。また、空調設備に頼らず「真の快」を見極めた空調運用も重要であるとの観点から、弊社での取り組みを紹介させて頂きました。空調タイマーを設定することで約10%の空調省エネルギーが期待できます。現在、弊社電力モニタリング結果を精査していますので、今後の弊社ブログをお楽しみにして下さい。

環境部  中村 北斗

2011年9月12日月曜日

節電を継続するために

環境部の近藤です。主に機械設備を担当しています。

現在、東京電力と東北電力管内の大口契約者に発動していた電力使用制限令について、予定を前倒しして解除するようです。気温も下がり、家庭を含めた節電活動も浸透し、東北電力の水力発電運転再開のめどが立ったことによる措置だそうです。(2011/9/9現在)

制限という形ではなくなりましたが、省エネルギーや節電は、今後も継続していくことが大切かと思います。今回の件では、今まで過剰な電力利用をしていたと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、一方、多少の無理や我慢を強いられた企業や個人の方もいらっしゃるのではないでしょうか。一過性のものとはせず、継続するためには、無理をしないことや、そのための仕組やライフスタイルが確立できると良いですね。

突然ですが「フィードインタリフ」(Feed-in Tariff)という言葉をご存知ですか?
環境ビジネス用語辞典によると、次のように載っています。

フィードインタリフ(Feed-in Tariff)とは、固定価格買取制度とも呼ばれる助成制度。
エネルギーの買取価格(タリフ)を法律により定めるというもの。
代表的なものとして、太陽光発電や風力発電などによるグリーン電力を電力会社が買い取る売電価格について法律により固定し、設備を設置する者を優遇することにより、その普及を助成する制度。
ちなみに、タリフとは「買取価格」を意味する。

再生可能エネルギー起源の電力の買取価格を法律で定め、その結果として、再生可能エネルギーへの設備投資を普及・促進する、という仕組みのことです。

フィードインタリフはヨーロッパ他、多数の国で実施されており、少なからず効果があるようです。ただし、この制度はビジネスと直結するため、適切な制度設計がなされないと、失敗してしまう例もあるようです。

ご存知の方も多いと思いますが、わが国でも、再生可能エネルギー特別措置法案が成立しました。フィードインタリフ=再生可能エネルギーの固定価格買取制度の実現を目的とした法案です。太陽光発電については、既に実施されていたのですが、風力・地熱・バイオマス等、他の自然エネルギー起源の電力についても適用されることになります。

個別事象への適用や詳細な内容は、今後決まっていくこととは思いますが、こういった仕組みが出来上がることで、積極的な自然エネルギー利用や節電の継続に繋がっていくことかと思います。今後、具体的な制度の内容がどのように決まっていくか、ぜひ、この制度に注目してみてはいかがでしょうか?

環境部  近藤 基

2011年8月17日水曜日

節電と快適性

環境部の小縣です。
主にCFDなどのシミュレーションを担当しています。

冷房設定温度
最近、節電のために冷房設定温度を上げるオフィスが増えています。冷房設定温度を上げると確かに省エネになりますが、暑くなったと感じている人も多いのではないでしょうか。そこで注目されているのが卓上扇風機。当たり前ですが、扇風機の風が体に当たると涼しく感じます。では、この扇風機を利用することで、実際にどの程度快適になるのでしょうか?

快適性を表す指標 “PMV”
建築分野では、快適性を表わす指標としてPMVがよく用いられます。PMVとは、Predicted Mean Voteの略で、日本語では予測平均温冷感申告と呼ばれています。1000人以上の被験者実験によって得られたデータをもとにして作られた快適性予測手法です。+3(非常に熱い)~-3(非常に寒い)の7段階で快適性を表し、PMV=0に近いほど快適ということになります。ある空間のPMVを予測するには、温度・相対湿度・風速・平均放射温度・代謝量・着衣量の6種類の条件が必要になります。

冷房設定温度と快適性
それでは、冷房設定温度26℃の場合と、冷房設定温度28℃の場合での快適性を比較してみましょう。
室温・風速・PMVの関係を以下のグラフに示します。①が冷房設定温度26℃扇風機なしの場合、②が冷房設定温度28℃扇風機有りの場合です。扇風機ありの場合の風速は0.6m/s程度と考えます。それぞれのPMVをみると、①は0~1の間、②は最も快適とされる0付近になっていることがわかります。
 



















つまり、扇風機を付けることによって0.6m/s程度の風が体に当たると、室温が28℃でも26℃の時と同等以上の快適感が得られるということになります。これより、冷房と扇風機を併用することは、省エネと快適性を両立させる有効な手段であるといえます。


我慢しない節電
一般的に、節電には我慢というイメージがありますが、以上のようにちょっとした工夫で快適性と省エネを両立させることができます。ここでは、扇風機を例に挙げましたが、身の回りには他にも工夫できることがたくさんあると思います。皆で知恵を出し合い、快適な節電を実現しましょう!

環境部  小縣 信也