2011年8月17日水曜日

節電と快適性

環境部の小縣です。
主にCFDなどのシミュレーションを担当しています。

冷房設定温度
最近、節電のために冷房設定温度を上げるオフィスが増えています。冷房設定温度を上げると確かに省エネになりますが、暑くなったと感じている人も多いのではないでしょうか。そこで注目されているのが卓上扇風機。当たり前ですが、扇風機の風が体に当たると涼しく感じます。では、この扇風機を利用することで、実際にどの程度快適になるのでしょうか?

快適性を表す指標 “PMV”
建築分野では、快適性を表わす指標としてPMVがよく用いられます。PMVとは、Predicted Mean Voteの略で、日本語では予測平均温冷感申告と呼ばれています。1000人以上の被験者実験によって得られたデータをもとにして作られた快適性予測手法です。+3(非常に熱い)~-3(非常に寒い)の7段階で快適性を表し、PMV=0に近いほど快適ということになります。ある空間のPMVを予測するには、温度・相対湿度・風速・平均放射温度・代謝量・着衣量の6種類の条件が必要になります。

冷房設定温度と快適性
それでは、冷房設定温度26℃の場合と、冷房設定温度28℃の場合での快適性を比較してみましょう。
室温・風速・PMVの関係を以下のグラフに示します。①が冷房設定温度26℃扇風機なしの場合、②が冷房設定温度28℃扇風機有りの場合です。扇風機ありの場合の風速は0.6m/s程度と考えます。それぞれのPMVをみると、①は0~1の間、②は最も快適とされる0付近になっていることがわかります。
 



















つまり、扇風機を付けることによって0.6m/s程度の風が体に当たると、室温が28℃でも26℃の時と同等以上の快適感が得られるということになります。これより、冷房と扇風機を併用することは、省エネと快適性を両立させる有効な手段であるといえます。


我慢しない節電
一般的に、節電には我慢というイメージがありますが、以上のようにちょっとした工夫で快適性と省エネを両立させることができます。ここでは、扇風機を例に挙げましたが、身の回りには他にも工夫できることがたくさんあると思います。皆で知恵を出し合い、快適な節電を実現しましょう!

環境部  小縣 信也

2011年8月1日月曜日

私たちの節電

最初に、簡単ですが自己紹介をさせて頂きます。
井村修二 32才
環境部という部署に所属している空調・衛生の設備エンジニアです。

私たちの節電とは
集まった社内の有志との話し合いの中で、世の中に溢れる節電メニューをそのまま実践するのではなく、その効果と影響を把握するべきだと考えました。
電力需要の削減に貢献することはもちろんのこと、これらの内容を発信することで、多方面の方々の参考になればと思い、今回は取り組み内容の一部を紹介させて頂きます。


1_節電ポスターを作成する
社内全員が節電の意識を高めることが何より重要と考え、まずはすぐに実行できる節電行動を描いたオリジナルの節電ポスターを作成しました。これを社内各所にしつこいぐらいに貼りました。











2_執務環境を測る
まず現状の執務環境を測るべきだと考えました。
これには、日本サステナブル建築協会の知的生産性測定システムSAPを利用しました。
Web上にてアンケート調査に回答することで、光環境、音環境、熱環境、空気環境、空間環境、IT環境などのオフィス環境からオフィスの知的生産性を測ることができます。
なお、このアンケート調査は節電行動を実践した前後で数回実施する予定です。

3_照明を半分に間引きました
照明器具1台ごとにランプを取外し節電
しました。照度は、実施前700-800Lx程度に対し、実施後300-400Lxでした。事務所の照度基準に関しては、日本では500-750lxですが、UKでは300-500lxです。日本の照度基準は明るめの傾向にあります。
実施後の照度300-400lxがどうかというと、私は特に暗いとは感じませんでしたが、タスク照明を使っている社員もチラホラといて、結果としてタスク・アンビエント照明方式が実現されています。
このタスク・アンビエント照明方式への変更により、私たちのオフィスでは1時間当たり4kW程度の節電が達成できています。










ちなみに、天井に伸びているダクトは空調用の布ダクトです。室内温度を均一にする目的で数年前に改修しました。

4_エアコンの温度設定を見極める
重要なのが、設定した温度と自分の周囲の温度は必ずしも一致しないということです。実際に執務環境に近い温度を計測することで、このことを改めて痛感しました。そこで、執務環境を28℃程度に保つことのできる温度設定(少し高め)をおこなうようにしています。
みなさんも設定している温度と自分の周囲の温度を計測して比べてみてはいかがでしょうか。エアコンの設置されている状況と温度センサーの位置等で結果は様々だと思います。

5_エアコンの切タイマー設定をする
最近のエアコンはリモコンでウィークリータイマーが設定できたりします。
当社のエアコンはタイマーが設定できたので、早速自動で19:00に切れるタイマーを設定しました。
実践すると、効果がすぐに目に見えました。19:00以降、執務者はエアコンが切れたことに気付かないほど室内の温度変化は緩やかで、停止したままのエアコンも多数見受けられます。
不快に感じたら、各自の責任で運転再開し、帰る時には確実に停止するように呼びかけています。











ちなみに、お昼休みにエアコンを切ってしまうとピーク時刻にエアコンが頑張りますので注意が必要です。

6_「見える化」する
自分達の使っているエネルギーをどのくらい把握できているか?
あまり把握できていませんでした。リアルタイム電力モニターで痛感しました。
当社はテナント入居なのでビル管理会社及びオーナーの協力を得て、屋上設備スペース及びEPSに計測器を設置しました。当社はエネルギー計測業務も行なっていますが、リアルタイム計測・表示はちょっと勝手が違い設置にあたっては電圧の確保等様々な苦労がありました。

社内に設置した「見える化パネル」は以下のような感じです。
リアルタイム電力モニターはグラフ表示を行なえるものを使用しました。社内全員がすぐに理解できるようにするためにデマンドグラフのみを表示しています。
モニターを覆ったパネルに昨年の月積算電力量から想定したデマンドと節電目標デマンドを記載しました。
また、外気温湿度計と室内温湿度計も合わせて設置しました。外が涼しい時間帯は窓を開けエアコンを停止することを狙っています。ちなみに、7月は2日程度これができました。











7_これから
今回は取り組み内容の一部を紹介させて頂きましたが、様々な節電行動を実施しております。
また、お付き合いのある建築設計事務所の方々とも意見交換をさせて頂き、私たちが考えもつかなかったような節電アイデアがあったりもしました。
それでは、またの機会に紹介させて頂きたいと思います。

環境部 井村修二