2011年12月29日木曜日

私たちの節電 今夏のまとめ2

環境部の中村です。
井村に続き、今夏の当社における節電の取組についてデータを基に評価を行います。

実施内容
1 リアルタイムモニタリング
2 エアコンのチューニング
3 電灯・OA

1 リアルタイムモニタリング
モニタリングパネルを共有部に置いて、節電アイデアの実践・評価をスムーズに行えるようにしました。

モニタリングパネル

  

























1.1 ピーク電力
今夏、ピーク電力の把握が如何に重要かは周知のとおりです。とはいえ、電力は目に見えないので、ピークがいつやってくるかなどを一般の方が感じ取るのは難しいことです。

当社エンジニアも経験を生かして想像は出来ますが、具体的に今なのか、2時間後なのかは判断が難しいところです。今回、電力量をリアルモニタリングすることで、ピーク電力が上がってしまう前に照明を消すなどの対応がとれるようになりました。

今夏の当社ピーク電力は8月12日の11時30分 38. 3 kW(前年比-35%)でした。これらは今夏取組んだ節電行動の結果がすべて反映されているので、モニタリングの効果というわけではありませんが、実施した節電行動が数値となって表れるため節電意識の向上につながりました。
(前年ピーク値は、電力検針値と外気温変動を考慮した想定値)
 
2011年 ピーク電力
 














1.2 モニタリングを活用した節電行動
次に、外気温湿度モニタリング活用した窓開け行動は功を奏したと言えます。
(ほんの2日程度でしたが・・・)

2011年7月21日に大型台風が関東一円に猛威をふるいました。この前後(21日,22日)で外気温度が急激に下がったことをモニタリングで確認したため、空調をなるべく停止し窓を開け外気冷房を試みました。

室内温度は通常冷房の20日よりも高くなる傾向となりましたが、1日の空調にかかる電力を25%抑えることが出来ました。夏期の外気冷房タイミングはピンポイントの発生となりますが、今回のモニタリングで捉えることが出来ました。また、外気温度が高くない4月,5月に実施できれば大幅な節電に役立ちます。
 
年外気冷房期間
















2  エアコンのチューニング
当社 井村(過去ブログを参照頂ければ幸甚)を主導としてエアコンのリモコン設定の全面的な見直しを図りました。主に以下2点を改善しました。

2.1  ウィークリータイマーの設定
タイマーによって19:00に空調停止がかかるように設定しました(復帰可)。

2.2 設定温度の見直し及び設定温度センサの切替
設定温度27℃程度であったため、28℃となるよう見直しました。

微小な効果を検証しますと、私の場合長くなりますので割愛し、前年の検針器データと本年の電力モニタリングデータを月別で比較します。
空調消費電力の比較
























2010年と比べて、空調で34%程度の節電が達成出来ました。これは当社エンジニアも驚きを隠せない数値かつ、過去の行動に対して猛省を促される結果となりました。

モニタリングによる外気冷房を2%程度、2.1 空調停止による電力削減を10%程度とすれば、2.2 設定温度の見直し22%程度となります。空調のリモコン設定は管理が疎かになりがちですので、皆様も是非検討してみは如何でしょうか。

*中村の過去ブログを参照下さい。


3 電灯・OA電力
3.1 電灯
照明電力に対する節電手法は照明灯具の間引きを行いました。間引きでの留意事項は、灯具によって間引き方法を適切に検討しないと節電にならないどころか、電力を余計に要する事態があることです。

当社では、検討を行った結果、1つの灯具の電灯すべてを外さないと節電にならないと判断し間引きを実施しました。1つの灯具がまったく点かない状況になるので、照度計や明るさ感を十分にヒアリングし社員の納得する配置としました。
灯具と明るさ感について詳しくは前山が次号ブログに寄稿予定となります。

電灯は総数100本近く(約半分)の蛍光灯を灯具から外しました。大雑把な計算で考えると、
40 [W]  × 100 [本]  = 4,000 [W]  → 4.0[kW]
4kW程度の節電が考えられます。

間引き前の電灯電力は概ね9.0kWでしたので、間引き前の45%程度が節電されています。

3.2 OA電力

OA電力の節電では、個人用PCのディスプレイ輝度削減が一押しです。下図にディスプレイ輝度調整効果の結果を示します。

普段、デフォルトのままで使っているPCディスプレイも輝度を下げることで10W程度の節電が可能です。これらは熱に変換されるため、空調電力にも結びつきます。
ただし、健康を害する程の輝度設定はおすすめ致しません。

PCディスプレイ輝度と消費電力の関係



















OA電力は40人が奮起して、
10 [W]  × 40 [人]  = 400 [W]  → 0.4[kW]
 0.4kW程度の節電が考えられます。

さらに、こまめに照明スイッチを切るなどの努力を行いました。

電灯・OA消費電力の比較

























2010年と比べて、専有部電力で32%程度の節電が達成出来ました。
これらの内訳は、3.1 電灯25% , 3.2 OA電力7%程度と考えられます。

まとめ
今夏の当社節電に関して、まとめると前年比(2ヶ月間)で34%の節電を達成出来ました。


全体消費電力の比較





















前述してきた節電アイテムの内訳を表すと下図のようになり、照明の間引きとエアコンのチューニングの効果が大きいことがわかります。 
電力削減アイテムの効果比率


















本稿で、今夏の節電についてのご報告は最後となります。

今回の取組で前年比のピーク削減は35%,8月-9月の電力量34%節電に至り、満足すると同時に前年までの電力使用に関して猛省が必要と考えております。

今回、実行へ至らなかったアイデア(躯体蓄熱運転・・)などは随時、手法の検討を行い冬期も節電に取組む予定でございます。この節電実験フィールドでアイデアを試したい方は是非、ご連絡下さい。

森村設計はエコロジーとテクノロジーの融合に取り組んでいます。

計測に関して安全に作業が出来るようご協力頂いた方々に深く御礼を申し上げます。

環境部  中村 北斗

2011年12月22日木曜日

英語のブログも書いている理由

私の名前はフォレスト・サイモン、森村設計では翻訳の仕事をしています。そして、このブログサイトの翻訳も私が行っています。
今回は、弊社の海外グループの紹介、そしてブログを英訳している理由について書いてみようと思います。

森村設計は、東京に拠点を置く建築設備の設計事務所です。
多くの国内プロジェクトの建築コンサルティングサービスを行っている部署の他に、海外グループという部署があります。

この海外グループでは、日本に事務所を設立したり、移転したりする外資系の銀行や証券会社、その他様々な外資系企業向けに、建築設備のコンサルティングサービスを行っています。

弊社は、クライアントの運用を絶対に停止させてはならない、ミッションクリティカルプロジェクトを得意としており、このプロジェクトは、停電させることなく電力システムを改修することが重要です。

最近は、多くの外資系クライアントが節電・省エネの重要性を認識していているため、弊社はエネルギー消費量の削減対策を提案しています。
多くの外資系クライアントの社員は外国人であるため、私たちは日本語のブログだけでなく、英語のブログも必要だと考えました。

最近のブログの焦点は、節電・省エネです。
今年311日の東北地方太平洋沖地震後、電力不足予測が発せられたことで、いくつかのクライアントから節電に対するアドバイスを要望されたこともあり、私たちは、コンサルティングエンジニアとして、電力エネルギーを削減することに今まで以上に努めなければならないと強く感じました。
そして、この時期に私たちはエンジニアのブログをスタートさせたので、ブログの焦点が節電・省エネになったのは自然な流れでした。

ブログメンバーのモチベーションを高めることや、積極的にブログへ参加させることは大変なことです。ブログメンバーはプロジェクトに追われていて忙しかったりで、ブログを書けない(ブログが更新されない)こともしばしばあります。
しかしながら、私たちはブログという情報発信方法に慣れ始めてきていて、今後もエンジニアブログをアップし続けていくことは確かです。

フォレスト サイモン
http://www.ptmtokyo.co.jp/